バイオ燃料ブームと言われ、食糧価格高騰の原因とされたバイオ燃料だが、一部ではバイオ燃料の生産、販売自体も危機に陥る可能性がある。
バイオディーゼルメーカーのCampa株式会社が支払不能を申請したのもその一つと言えるだろうか。マイン・ポスト紙によると、Campa株式会社は2008年5月26日、ヴュルツブルクの区裁判所に支払能力を原因として支払不能申請を行った。
経営破綻の原因としては、市場状況の変化が挙げられている。Campa社の経営陣は、エネルギーへの課税強化とアメリカおよびアジアからの安価な製品の輸入によるバイオディーゼル市場の急激な条件悪化を原因と考えている。オクセンフルトの砂糖工場の敷地にあるバイオディーゼルプラントは、生産能力縮小が行われたが、現在は稼動を停止されている。Campa社は既に昨年、シュトラウビング(Straubing)のプラント増設計画を凍結していた。
ドイツのバイオ燃料も、実際には税制優遇と域内に競合者がなかったことを存立基盤としていたという証左であろうか。
(情報の出所:http://www.iwr.de/bio/archiv/08/05/2804.html)
2008年6月5日
2008年5月15日
ドイツ・ブラジル間エネルギー協定
2008年5月14日の連邦経済技術省プレスリリースは、ドイツとブラジルの間でエネルギーに関する協定が結ばれたことを発表した。
プレスリリースの全文は以下のようなものだ:
「ブラジルとのエネルギー協定に調印
日付: 2008年5月14日
ドイツ連邦首相のブラジル訪問中に、ドイツ連邦経済技術省政務次官Dagmar Wöhrlが、再生可能エネルギーおよびエネルギー効率を重点とするエネルギー分野での協力に関するドイツ・ブラジル協定に調印した。
この新協定により、持続可能なエネルギーインフラが開発、改善される。それに加え両当事国は、共同で実施するイニシアティブについての政治対話、学術・テクノロジー交流、民間部門への参加を助成する考えである。
新エネルギー協定の下での協力分野には、エネルギー効率および再生可能エネルギーと並んで、石油、石炭、ガスの確保、CDM(クリーン開発メカニズム)プロジェクトも含まれている。
1975年の原子力の平和利用での協力に関する協定およびその後の追加規則は、新協定とともに引き続き有効である。」
再生可能エネルギーに関しては、ブラジルでのバイオ燃料原料および製品生産において持続可能性への配慮が規定されることになっていたが、このプレスリリースでは詳細は不明。続報を待て。
プレスリリースの全文は以下のようなものだ:
「ブラジルとのエネルギー協定に調印
日付: 2008年5月14日
ドイツ連邦首相のブラジル訪問中に、ドイツ連邦経済技術省政務次官Dagmar Wöhrlが、再生可能エネルギーおよびエネルギー効率を重点とするエネルギー分野での協力に関するドイツ・ブラジル協定に調印した。
この新協定により、持続可能なエネルギーインフラが開発、改善される。それに加え両当事国は、共同で実施するイニシアティブについての政治対話、学術・テクノロジー交流、民間部門への参加を助成する考えである。
新エネルギー協定の下での協力分野には、エネルギー効率および再生可能エネルギーと並んで、石油、石炭、ガスの確保、CDM(クリーン開発メカニズム)プロジェクトも含まれている。
1975年の原子力の平和利用での協力に関する協定およびその後の追加規則は、新協定とともに引き続き有効である。」
再生可能エネルギーに関しては、ブラジルでのバイオ燃料原料および製品生産において持続可能性への配慮が規定されることになっていたが、このプレスリリースでは詳細は不明。続報を待て。
2008年5月9日
Süd-ChemieとLinde、第二世代バイオ燃料生産のために提携
Süd-Chemie AGとLindeは、第二世代バイオ燃料の生産のために提携することをプレスリリース(2008年5月6日)で発表した。
触媒および吸着剤メーカーであるSüd-Chemie AGと、ガス・プラント建設企業のLinde Groupが、第二世代バイオ燃料生産プラントの開発と販売で協力する。プレスリリースではこの分野での大企業同士の提携はこれまでに例がないと、この提携の独自性が主張されている。
Süd-Chemieは、バイオ触媒およびバイオプロセス技術を提供し、Lindeは、その子会社であるLinde-KCA Dresdenを通じてバイオテクノロジーと化学分野のプラント技術を提供する。この提携により、工業および農業のエタノール生産者やその他の企業、および第二世代バイオ燃料のプラントへの投資家といった潜在的顧客へのアピールできるという。
プレスリリースは、具体的なプロジェクトやスケジュールには言及していない。
情報の出所:Süd-ChemieとLindeの共同プレスリリース(2008年5月6日)
触媒および吸着剤メーカーであるSüd-Chemie AGと、ガス・プラント建設企業のLinde Groupが、第二世代バイオ燃料生産プラントの開発と販売で協力する。プレスリリースではこの分野での大企業同士の提携はこれまでに例がないと、この提携の独自性が主張されている。
Süd-Chemieは、バイオ触媒およびバイオプロセス技術を提供し、Lindeは、その子会社であるLinde-KCA Dresdenを通じてバイオテクノロジーと化学分野のプラント技術を提供する。この提携により、工業および農業のエタノール生産者やその他の企業、および第二世代バイオ燃料のプラントへの投資家といった潜在的顧客へのアピールできるという。
プレスリリースは、具体的なプロジェクトやスケジュールには言及していない。
情報の出所:Süd-ChemieとLindeの共同プレスリリース(2008年5月6日)
2008年5月1日
ドイツ・ブラジル二国間協定締結か
Focusインターネット版(http://www.focus.de/panorama/diverses/biokraftstoffe-energieabkommen-zwischen-deutschland-und-brasilien_aid_298245.html)によると、ドイツ連邦環境相ガブリエルがブラジルで、5月のドイツ連邦首相メルケルがブラジルを訪問した際に、ブラジルでの持続可能なバイオ燃料生産のための二国間協定が締結される可能性があると発表したとのこと。これは、ブラジルの環境相との会談のときに発表されたもの。
このことは、連邦環境省のプレスリリース(No.082/08 - 自然保護/国際)でも言及されているが、具体的内容の報告はない。
ドイツでは現在、バイオ燃料の持続可能な生産についての規準を定める政令を作成中であるが、ブラジルがそれを採用するというようなことが予想される。いずれ、メルケル首相のブラジル訪問時に明らかになるだろう。続報を待つことにする。
このことは、連邦環境省のプレスリリース(No.082/08 - 自然保護/国際)でも言及されているが、具体的内容の報告はない。
ドイツでは現在、バイオ燃料の持続可能な生産についての規準を定める政令を作成中であるが、ブラジルがそれを採用するというようなことが予想される。いずれ、メルケル首相のブラジル訪問時に明らかになるだろう。続報を待つことにする。
2008年4月29日
ギュルツォー専門談話シリーズ第28巻:バイオ原油(Biocrudeoil (BCO))
4月25日(金)、ハノーファーメッセを訪問した。エネルギー関連の製品の展示もあり、関連企業や団体のブースも開設されていたことから、最新技術・情報の把握のための視察だった。E10の2009年導入中止決定後の情報が欲しかったのだが、産業見本市でもあり、また決定後日が経っていないこともあってか、めぼしい情報は得られなかった。
しかし去年の暮れにインタビューで訪問したことのある再生資源協会(FNR)のブースで、そのとき説明を担当してくれたヴィンケルマン氏に会い、言葉を交わすことができた。氏は、バイオ燃料への批判が高まっていることから、最近は説明に忙しいそうだ。バイオ燃料に関して、何か新しい資料は?と尋ねたところ、タイトルに挙げた資料を渡してくれた。原語ではGülzower Fachgespräche, Bd.28, Biocrudeoil。
Biocrudeoil:バイオ原油(BCO)とは聞き慣れないものだが、第二世代のバイオ燃料であるBtLがワンステップで規格準拠の燃料になるのに対して、こちらはそこまでは行かないが、熱化学分解によって生産される液体エネルギー源(キャリアー)である(とりあえず「バイオ原油」と訳しておくが、何かもっと適当な用語があれば、いずれ紹介する)。1.5世代と言ったところだろうか。BCOは、石油との同時精製が可能な他、BCO専用エンジンでも利用できる。第二世代のバイオ燃料の生産量増大、普及はまだ先になるとすれば、当面の注目株というところだろうか。
資料の目次は以下の通り。
前書き 5
導入と基盤
熱分解の現状と、エネルギー利用のための「バイオ原油」(BCO)生産
バイオマスの直接液状化研究の総括 ミ 反応メカニズムと製品の分配
バイオマスの熱分解におけるメカニズムと反応
プロセス
HAW Hamburgの開発を例としたバイオマスの直接液状化
PyTecの融除フラッシュ熱分解 ミ 最初の経験と製品特性
カールスルーエ研究センターのbioliqィプロセスでの高速熱分解
バイオマスに関する触媒変換プロセス
応用
石油加工におけるバイオマス熱分解油の同時精製
エンジンでのBCO利用
討論結果と総括
この資料は、再生資源協会(FNR)のサイトの文献(Lieteratur)から無償でダウンロードできる。
再生資源協会サイト:http://www.bio-kraftstoffe.info/cms35/Literatur-Downloads.920.0.htmlから。
またhttp://www.bio-kraftstoffe.info/cms35/Aktuelles.913.0.html(最新情報)には、この資料の紹介記事もある。Biocrudeoil - flüssige Bioenergie wird interessant(2008年4月24日)
しかし去年の暮れにインタビューで訪問したことのある再生資源協会(FNR)のブースで、そのとき説明を担当してくれたヴィンケルマン氏に会い、言葉を交わすことができた。氏は、バイオ燃料への批判が高まっていることから、最近は説明に忙しいそうだ。バイオ燃料に関して、何か新しい資料は?と尋ねたところ、タイトルに挙げた資料を渡してくれた。原語ではGülzower Fachgespräche, Bd.28, Biocrudeoil。
Biocrudeoil:バイオ原油(BCO)とは聞き慣れないものだが、第二世代のバイオ燃料であるBtLがワンステップで規格準拠の燃料になるのに対して、こちらはそこまでは行かないが、熱化学分解によって生産される液体エネルギー源(キャリアー)である(とりあえず「バイオ原油」と訳しておくが、何かもっと適当な用語があれば、いずれ紹介する)。1.5世代と言ったところだろうか。BCOは、石油との同時精製が可能な他、BCO専用エンジンでも利用できる。第二世代のバイオ燃料の生産量増大、普及はまだ先になるとすれば、当面の注目株というところだろうか。
資料の目次は以下の通り。
前書き 5
導入と基盤
熱分解の現状と、エネルギー利用のための「バイオ原油」(BCO)生産
バイオマスの直接液状化研究の総括 ミ 反応メカニズムと製品の分配
バイオマスの熱分解におけるメカニズムと反応
プロセス
HAW Hamburgの開発を例としたバイオマスの直接液状化
PyTecの融除フラッシュ熱分解 ミ 最初の経験と製品特性
カールスルーエ研究センターのbioliqィプロセスでの高速熱分解
バイオマスに関する触媒変換プロセス
応用
石油加工におけるバイオマス熱分解油の同時精製
エンジンでのBCO利用
討論結果と総括
この資料は、再生資源協会(FNR)のサイトの文献(Lieteratur)から無償でダウンロードできる。
再生資源協会サイト:http://www.bio-kraftstoffe.info/cms35/Literatur-Downloads.920.0.htmlから。
またhttp://www.bio-kraftstoffe.info/cms35/Aktuelles.913.0.html(最新情報)には、この資料の紹介記事もある。Biocrudeoil - flüssige Bioenergie wird interessant(2008年4月24日)
2008年4月28日
Butalco GmbHとVolkswind GmbHが提携
フランクフルト総合大学のスピンオフ企業Butalco GmbH(ブタルコ有限会社)が、ニーダーザクセンのVolkswind GmbH(フォルクスヴィント有限会社)の投資を受け、リグノセルロースの発酵によるブタノール製造プロセスの開発を進めることになった。
Butalco GmbHは、フランクフルト総合大学のEckhard Boles教授とそのパートナーのDr. Gunter Festelが2007年に設立した企業であり、一方Volkswind GmbHは、風力エネルギー分野ではヨーロッパ有数の企業に属する。前者の遺伝子組み換え酵母菌を使ったプロセスでは、植物性廃棄物(木材、藁、竹など)からブタノールを製造することが可能であるが、二企業が協力してプロセスを産業利用なレベルにまで発展させ特許取得を目指す。その上で、この技術をバイオ燃料生産者にライセンス供与することが目標とされている。
このプロセスは、食糧生産と競合しない植物性廃棄物からのバイオ燃料製造が可能になるという利点の他に、バイオエタノールよりも利便性に優れたブタノールを生産できるという利点も持ち合わせている。ブタノールは、従来の自動車にも改造しなくてもそのまま給油でき、また従来の燃料との混合にも問題がない(以上の情報:http://www.sonnenseite.com/index.php?pageID=6&news:oid=n9976&template=news_detail.html&flash=true)。
問題があるとすれば、遺伝子組み換えを施した酵母菌を使うことだろうか。
Butalco GmbHは、フランクフルト総合大学のEckhard Boles教授とそのパートナーのDr. Gunter Festelが2007年に設立した企業であり、一方Volkswind GmbHは、風力エネルギー分野ではヨーロッパ有数の企業に属する。前者の遺伝子組み換え酵母菌を使ったプロセスでは、植物性廃棄物(木材、藁、竹など)からブタノールを製造することが可能であるが、二企業が協力してプロセスを産業利用なレベルにまで発展させ特許取得を目指す。その上で、この技術をバイオ燃料生産者にライセンス供与することが目標とされている。
このプロセスは、食糧生産と競合しない植物性廃棄物からのバイオ燃料製造が可能になるという利点の他に、バイオエタノールよりも利便性に優れたブタノールを生産できるという利点も持ち合わせている。ブタノールは、従来の自動車にも改造しなくてもそのまま給油でき、また従来の燃料との混合にも問題がない(以上の情報:http://www.sonnenseite.com/index.php?pageID=6&news:oid=n9976&template=news_detail.html&flash=true)。
問題があるとすれば、遺伝子組み換えを施した酵母菌を使うことだろうか。
2008年4月20日
Lurgi GmbH(Lurgi有限会社)が、MtS法を用いたパイロットプラントを建設
Lurgi GmbH(Lurgi有限会社)は、プロセス技術およびプラント建設の分野で活動する世界的企業で、ガス技術、石油化学、動力燃料、プラスティック、バイオ燃料、Oleochemie(植物性油脂化学)を重点分野としているが、このほどドイツの北部、Volkswagen社の拠点として有名なヴォルフスブルク(Wolfsburg)にBtLのためのパイロットプラント建設を決めた。これによりBtLプロセスチェーンの最終ステップが検証される。
バイオ燃料の製造工程としてはFischer-Tropisch(FT)合成法が有名だが、このパイロットプラントではMethanol to Synfuel(MtS)法が用いられる。この合成法は、FT法に比べ、知名度は低いものの柔軟性において将来を期待されている。Lurgi社は、そのフィージビリティーをMtSパイロットプラントの建設によって証明しようと考えている。
ヴォルフスブルクで計画されているLurgi社のプラントは、バイオマスをベースとしたメタノールをディーゼルおよびガソリンエンジン用燃料に変換するもの。この最終ステップにより、BtL燃料生産のプロセスチェーンが完成する。Lurgi社は、このMtSパイロットプラントに、同社がこれまでに蓄積してきたプロセスのノウハウとテクノロジーを投入する。同社は実験プラントで成果を上げており、そのプロセスの中には、改良を加えられ大規模技術的に利用されてきたものもある。そして今、その実験プラントが20倍に拡大され、改良を受けて、全体のプロセスに統合されることになった。
Lurgi GmbHは、Süd-Chemie AG、Volkswagen AGをこのプロジェクトのパートナーとしており。Süd Chemie社は触媒技術を担当し、Volkswagen社が経済性と二酸化炭素削減ポテンシャルを分析し、製造されたBtL燃料の包括的な検証を引き受ける。また、Volkswagen Kraftwerk GmbH(Volkswagen発電所有限会社)(Volkswagen AGの完全子会社)もプラントの稼働に協力する。
このプロジェクトは、2008年4月1日にスタートしたが、施設の建設は、エネルギーエンジニアリングとそのフィージビリティー調査の後、2009年に開始される。計画されている一連の試験は、2011年に終了することになっている。
このプロジェクトには、連邦農業省(BMELV)の委託を受けた再生資源協会(FNR)から450万ユーロの助成金が投じられる。
情報の出所:再生資源協会(FNR)(http://www.fnr.de)
Lurgi GmbHのサイト:http://www.lurgi.com
バイオ燃料の製造工程としてはFischer-Tropisch(FT)合成法が有名だが、このパイロットプラントではMethanol to Synfuel(MtS)法が用いられる。この合成法は、FT法に比べ、知名度は低いものの柔軟性において将来を期待されている。Lurgi社は、そのフィージビリティーをMtSパイロットプラントの建設によって証明しようと考えている。
ヴォルフスブルクで計画されているLurgi社のプラントは、バイオマスをベースとしたメタノールをディーゼルおよびガソリンエンジン用燃料に変換するもの。この最終ステップにより、BtL燃料生産のプロセスチェーンが完成する。Lurgi社は、このMtSパイロットプラントに、同社がこれまでに蓄積してきたプロセスのノウハウとテクノロジーを投入する。同社は実験プラントで成果を上げており、そのプロセスの中には、改良を加えられ大規模技術的に利用されてきたものもある。そして今、その実験プラントが20倍に拡大され、改良を受けて、全体のプロセスに統合されることになった。
Lurgi GmbHは、Süd-Chemie AG、Volkswagen AGをこのプロジェクトのパートナーとしており。Süd Chemie社は触媒技術を担当し、Volkswagen社が経済性と二酸化炭素削減ポテンシャルを分析し、製造されたBtL燃料の包括的な検証を引き受ける。また、Volkswagen Kraftwerk GmbH(Volkswagen発電所有限会社)(Volkswagen AGの完全子会社)もプラントの稼働に協力する。
このプロジェクトは、2008年4月1日にスタートしたが、施設の建設は、エネルギーエンジニアリングとそのフィージビリティー調査の後、2009年に開始される。計画されている一連の試験は、2011年に終了することになっている。
このプロジェクトには、連邦農業省(BMELV)の委託を受けた再生資源協会(FNR)から450万ユーロの助成金が投じられる。
情報の出所:再生資源協会(FNR)(http://www.fnr.de)
Lurgi GmbHのサイト:http://www.lurgi.com
登録:
投稿 (Atom)